(編注※:当記事は2015年5月7日『The First Penguin』に掲載された、けんすう氏による記事の転載です)
起業すると、役員報酬っていうのを決めないといけないのですが、結構これは難しい問題かなあ、と思います。
というのも
- バーンレートは出来るかぎり少ないほうがいい
- ただし自分の生活は担保しないといけない
- 役員報酬を安くしすぎると利益がでたときに法人税がもったいない
のがあります。特に学生だったりすると相場がよくわからないというのが正直なところでしょう。
ちなみに「バーンレート」とは、1ヶ月にどのくらいお金がでていくか、という数字の話です。100万売り上げて、150万お金を使っていたら、50万づつ減っていってるということです。1000万円あったら、20ヶ月は持つよね、という考え方をします。
スタートアップはバーンレートは極力抑えるというのが基本です。会社が潰れるというのが一番のリスクなのは誰しも理解しているところだと思いますが、とにかく出て行くお金を最小限にするというのは、どんな時でも必須の考えです。
役員報酬はいくらがいいの?
話を戻しますと、役員報酬をどのくらいにするか問題です。
役員報酬は、基本的に1年に1回しか変えられません。毎月コロコロ変えるという性質ではないので、あとで考えるがしづらいのも問題です。なので決めです。
というので、いきなり結論を書いてしまうと「20万〜30万」じゃないかと思います。都内では、30万あれば、だいたい快適に暮らせます。20万でも全然快適だと思いますが、社長とか役員になると、外との交流も必要なので、余裕を持って30万というのがいいんじゃないかと。
うちの会社でも、他の会社でもこのあたりが多かったので、そうかなあ、と。ちなみに払えない時は、払っていませんでした。会社への貸付という形になります。儲かったら返してもらえばいいわけです。
資金調達後の水準は?
もちろんこれは初期の話で、資金調達を億単位でするようになると、もう少し増やすケースが多いです。50万〜100万くらいにするケースが多いのかな?
これを増やしすぎと思う人がいるかもしれませんが、一応会社のトップなので、事業が進捗しているのであれば、適切に貰ったほうがいいとは思います。
何が問題かというと
- 今後優秀な人が入る時に、社長よりも給与が上という人がたくさんでてしまう。
- 社長が他の会社にいけばもっと稼げるのに、ずっと低い水準というのは、気力が続きづらい
- 本やセミナーなどのインプットが減り成長しづらくなる
- 身体・精神のメンテナンスにお金が回りづらくなる健康リスク
とかなのかなと。
僕は、資金調達するときに「社長の報酬を月100万以上にするというのを必須にしてくれ」といってきたVCさんもいたくらいなので、ずっと社長の報酬が低すぎるというのは、何かひずみが生まれやすいのかもしれません。個人的には、食べ物とかを安いもので維持するのは2年くらいが限度な気がするので、ずっと低いままだとアレかなと。
やっちゃいけないこと
ちなみに、やっちゃいけないものとしては
- 自分の報酬下げるかわりに、会社の経費で生活する
です。会社のお金と自分のお金を混合してしまうので、やめたほうがいいかなと。仕事ではない飲み会とかを会社の経費で落とすようになっちゃったりするので。。
というわけで、お金の話で非常に難しいと思うんですが、大事なところなので注意したほうがいいと思うこの頃です。